アドバンテストの企業研究 ポイントこれだけ!

企業研究

世界有数の半導体試験装置メーカー! アドバンテストを紹介します。

何をやっている企業?
半導体動作をテストし、製品の良否判定を行う製品を提供しています。

稼ぎ頭は?
半導体・電子部品産業におけるテストシステム製品が主力です。

業績は?
ここ数年はスマホ高機能化やデータセンター投資が旺盛で、急成長を遂げました。

それでは、それぞれの情報を詳しく見ていきましょう。

※本ページではアフィリエイト収益を得ています

何をやっている企業?

世界有数の半導体試験装置メーカーで、主力製品は半導体デバイス・部品テストシステムおよびメカトロニクス機器です。特にDRAM用途でのトップシェアを誇り、スマホやPC、自動車向けの半導体動作をテストし、製品の良否判定を行う製品を提供しています。自社工場を持たず、委託先工場で生産するファブレス生産体制を採用しており、リスクを回避した経営に努めていることが特徴です。同社分析によると、2022年のメモリテスタ市場12億ドルのうち、同社シェアは53%に上りました。今後も生成AIや高付加価値メモリHBMなどの分野での高い成長が期待されています。なお、海外売上比率(輸出率)が高いため、収益性については円安の恩恵を受けやすい傾向にあります。

2011年に米国の同業社ベリジーを買収し、半導体関連の企業規模として世界首位級に躍り出ました。2019年には光超音波顕微鏡を発売したほか、米アストロニクス社の半導体関連テスト事業を買収しました。2020年には米国Essai社を買収、PDFソリューションズ社と提携し、2022年にはイタリアのCREA社を買収しました。海外企業の買収や、新規事業の育成に積極的に注力しています。これらの戦略的動きにより、アドバンテストは世界的な半導体試験分野のリーダーとなっています。

国内の競合企業や比較にされやすい企業としては、アドバンテスト(半導体試験装置)、山一電機(半導体検査用ソケット)、テセック(半導体用分類ハンドラ)、インターアクション(光源製造)、インスペック(半導体外観検査装置)などが挙げられます。海外の競合としては、米国のTeradyne/テラダイン(半導体テスト業界の最大競合)や韓国のテスターメーカー各社が挙げられます。

用語解説

「SLT」…System-Level Testの略称です。システムレベルでのテストを指し、半導体製品が搭載されるシステム全体を対象に行われるテストで、半導体製品の品質を保証するために欠かせないものです。

「SoC」…System on a Chipの略称です。一枚の基板(チップ)上に半導体など各種素子を実装したものを集積回路と呼びますが、その中でも単体でシステムとして機能するように設計されたものがSoCと呼ばれます。
「SoCテスタ」…SoCデバイスの電気試験を自動で行う装置です。

「DRAM」…Dynamic Random Access Memoryの略称です。パソコンのメイン半導体メモリとして広く一般的に使用されています。揮発性メモリの一種で、通電している間だけデータを保持することができます。

「HBM」…High Bandwidth Memoryの略称です。GPU内の3D積層メモリ技術の一種で、従来の平面メモリよりもはるかに大きなデータ転送量を持っており、細かい配線と発生熱を逃がす設計のため高価格となります。スパコンやハイエンドPCで使用されるようになっており、従来のDRAMに続く今後の付加価値性の高い製品として期待されています。

「ハンドラ」…半導体デバイスを性能評価や良否判定をするために検査工程位置まで搬送し、検査結果に伴って自動で分別搬送する装置のことです。ICハンドラとも呼ばれます。

「ウェーハテスト」…半導体製造の検査工程の一つで、各半導体がウェーハ(チップ上に切断する前の円盤)の状態で不良品の有無をテストすることにより、半導体の歩留まりを改善させることを目的としたプロセスです。

「パッケージテスト」…半導体製造の最後に行うテスト工程です。半導体チップを保護するパッケージング工程が完了すると、チップが正常に機能するか確認するために、様々な条件の電気信号、温度、湿度などを加えて、製品の不良の有無を判別します。

「デバイスインターフェイス」…異なる装置や回路をつなぐ機構のことで、コンピューターと周辺機器を接続するためのUSBをはじめ、SATA,RS-232など様々な種類があります。

事業(セグメント)は以下に分かれています。※2023年3月時点のセグメント情報です。

半導体・部品テストシステム事業部門

半導体・電子部品産業におけるテストシステム製品を提供しています。販売活動は、主に日本本社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについては米国・欧州・台湾・シンガポールの子会社等が担当しています。開発活動は、日本本社、ヨーロッパ・米国子会社等が担当しています。

主な製品・サービス:SoC半導体用テストシステム(非メモリ半導体デバイスのテストシステム)、メモリ半導体用テストシステム(メモリ半導体デバイスのテストシステム)など

メカトロニクス関連事業部門

半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を取り扱っています。販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っています。開発活動は、主に日本本社で行っています。

サービス他部門

上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されています。

稼ぎ頭は?

半導体・電子部品産業におけるテストシステム製品を提供する半導体・部品テストシステムが主力です。

2023年3月期の売上高で比較すると、半導体・部品テストシステムが全社の7割を占めています。

利益で比較すると、半導体・部品テストシステムが全社の9割を占めています。

海外売上高は全体の9割超であり、グローバルで活躍する企業です。

業績は?

売上高の成長率は、3年平均で+26.6%、5年平均で+22.0%となりました。
ここ数年はスマホ高機能化やデータセンター投資が旺盛で、急成長を遂げました。

営業利益は3年平均で+41.9%、5年平均で+46.9%となりました。
2023年に入ってからは、PC・スマホ需要が低迷し、メモリー向け・非メモリー向けともに市況悪化の煽りを受け苦戦しています。

強みと弱みは?

・世界最高水準の製品・ソリューション開発力グローバルな技術サポート力に定評があります。
業界No.1の製品群を揃え、SoC、メモリを主軸に、ナノテクノロジー、システム・レベル・テストといった半導体のさまざまな製品・サービスを提供しています。
・長年グローバルに築き上げてきた、ユーザー・半導体関連企業・研究機関等との強固なパートナーシップがあります。
・テストシステム、ハンドラ、インタフェースといった半導体のパッケージテストに不可欠な要素全てをワンストップで提供可能です。

半導体業界の波の影響を受けやすく、企業努力とは関係なしに売上が減少してしまうリスクがあります。

・永続的な成長を実現するには、今主力の製品以外にも利益をもたらす新製品の開発や新しいテスト技術の研究が求められます。

半導体テスト産業は競争が激しいため、価格競争や技術競争に直面することがあり、競争力の維持や向上が求められます。

こんな人がアドバンテストに向いています

半導体業界に興味を持ち、その分野に対して熱意を持っていること。
機械設計やナノテクノロジーなど、幅広い技術知識を持ち、それを生かして業務に取り組むことができること。
グローバルな環境の変化に対して、積極的に取り組むことができること。

アドバンテストの企業研究 エクセルまとめ

企業比較シートを表形式でまとめてみました。
エクセル(Google スプレッドシート)の形式で公開していますので、ぜひ活用してください。

ポイントアドバンテスト
企業理念先端技術を先端で支える
業界電気機器(半導体検査装置)
企業活動半導体テストシステム・デバイス・サービスの一貫提供
稼ぎ頭テストシステム製品
海外比率96.3%
業績3年平均で+26.6%
5年平均で+22.0%
強み業界No.1の製品群
弱み半導体業界の波の影響を受けやすい

今すぐ使える エクセル(Google スプレッドシート)はこちら!


いかがでしたでしょうか? 就職・転職活動をする場合は、企業訪問やOBインタビューなどを活用しながら、有意義な企業研究をしましょう!

(銘柄コード:6857)

コメント

タイトルとURLをコピーしました