業界大手の総合商社! 伊藤忠商事を紹介します。
何をやっている企業?
繊維や食品などの生活関連商品に強みをもつ大手総合商社です。
稼ぎ頭は?
金属事業が全体の3割を占めていますが、8つの事業がそれぞれバランスよく収益を上げています。
業績は?
金属資源の利益増加を中心に大幅な業績上昇を達成しています。
それでは、それぞれの情報を詳しく見ていきましょう。
伊藤忠商事って何をやっている企業?
売上高2位の大手総合商社です。原料である川上から小売の川下まで包括的にカバーしており、SDGsと同社ビジョンの「三方よし」の精神を融合させたビジネスなど、持続可能な成長を目指しています。アパレルなどの繊維、船舶・航空・自動車・産業用などの機械、資源・鉄鋼製品などの金属、エネルギー化学品、原料・製造・中間流通などの食料、生活資材・物流などの住生活、情報・金融・保険などの情報金融といった、8つの事業を展開しています。祖業である繊維・食料・生活資材では業界最大手の強みを持ち、現在は非資源分野にも積極的に投資しています。
世界62ヶ国に約100の拠点を持ち、国内外で貿易と事業投資を行っています。中でも中国市場では最強の地位を確立しており、インフラ建設や国家プロジェクトへ参入しています。傘下にはファミリーマート、プリマハム、スポーツアパレルのデサント、輸入車・中古車のヤナセ、コールセンター大手のベルシステム24HDなどの大手上場企業を子会社・持分法適用会社に持ちます。
事業(セグメント)は以下に分かれています。※2022年3月時点のセグメント情報です。
繊維
繊維原料、糸、織物、衣料品、服飾雑貨、その他生活消費分野の全般においてグローバルに事業展開を行っています。 また、ブランドビジネスの海外展開や、リーテイル分野でのインターネット販売等の販路展開も行っています。
主な製品・サービス:天然繊維・化学繊維・合成繊維・無機繊維等の繊維原料及び 糸、織・編物等の繊維製品、衣料品、服飾雑貨、靴、寝装用繊 維品、室内装飾用繊維品、資材用繊維品等
機械
インフラ関連事業、電力関連事業、水・環境・廃棄物関連事業、単体機械及び関連機材、次世代エネルギー等の多様な用途にわたる機械関連と医療機器の取扱等を行っています。
主な製品・サービス:石油ガス開発・精製事業、ガス輸送・インフラ事業、再生可能エネルギー・発電・送変電・売電事業、上工下水道事業・プラント・設備、海水淡水化事業、廃棄物処理、リサイクル、環境関連プラント設備、港湾橋梁、鉄道車輌・鉄道システム、製鉄プラント、船舶、海洋構造物、航空機・機内設備、セキュリティー関連機器・システム、宇宙関連機器・システム、自動車部品・設備、土木・建設・鉱山用機械、農業機械、産業機械、電子システム機器、医療機器など
金属
多岐にわたる金属事業(金属鉱物資源開発事業、鉄鋼製品加工事業、鉄鉱石、石炭、その他製鉄・製鋼原料、非鉄・軽金属、鉄鋼製品)、原子燃料関連の国内・貿易取引、温室効果ガス排出権取引、リサイクル・廃棄物処理を行っています。
主な製品・サービス:鉄鉱石、還元鉄、原料炭、コークス、一般炭、合金鉄及びその原料、鉄スクラップ、銑鉄、金属粉、電極、活性炭、厚板、熱 延・冷延鋼板及びコイル、亜鉛鉄板、機械構造用鋼、ステンレス鋼、高張力鋼、各種特殊鋼、建材、溶接鋼管、継目無し鋼管、線材、海洋鉄構造物、橋梁、ビル鉄骨、レール、非鉄金属、非鉄・アルミ製品、貴金属地金、レアメタル、アルミ、アルミナ、アルミ圧延品、アルミ型材、電線、光ケーブル、電子材料、原子燃料、原子力関連機器、温室効果ガス排出権、什器・設備及び自動販売機の回収・修繕・再利用、廃棄物由来の再生資源等
エネルギー・化学品
エネルギー関連、化学品関連、再生可能エネルギーを含む電力関連の各分野でトレード並びに事業を行っています。
主な製品・サービス:原油、NGL、ガソリン、ナフサ、灯油、ジェット燃料、軽油、重油、船舶燃料、潤滑油、アスファルト、LPG、LNG、天然ガス、リニューアブル燃料、水素、アンモニア、芳香族、アルコール類、合繊原料、無機鉱産資源、硫黄、肥料、医薬品、合成樹脂、生活関連雑貨、包装資材原料、精密化学品、電子材料、蓄電池、熱供給、再生可能エネルギーを含む電力・IPP事業等
食料
原料からリーテイルまでの食料全般にわたる事業領域において、国内外で効率的な商品の生産・流通・販売を行っています。
主な製品・サービス:小麦、大麦、小麦粉、米、澱粉、植物油、大豆、トウモロコシ、大豆・菜種油、砂糖類、異性化糖、乳製品、コーヒー、酒 類、カカオ、果汁、飲料、水産物、畜産物、青果物、冷凍野菜、冷凍魚介類、業務用食材、加工食品、菓子、冷凍食品、缶詰、ペットフード、食料ビジネスに関するコンサルティングサービス等
住生活
紙パルプ事業、天然ゴム事業、タイヤ事業や物流事業等の生活資材・物流分野、不動産開発・分譲・賃貸・管理業や住宅資材事業等の建設・不動産分野において事業を行っています。
主な製品・サービス:木材チップ、木材パルプ、フラッフパルプ、コットンリンター、古紙、紙製品、木質系新素材、木質系バイオマス燃料、天然ゴム、タイヤ、セメント、ガラス、セラミックス、スラ グ、天然石膏、耐火物、家具、生活雑貨、倉庫事業、トラック輸送業、配送センター管理・運営業務、用船業務、国際複合一 貫輸送事業、航空貨物輸送業、流通加工業、港湾運送事業、住 宅、オフィスビル、物流施設、商業施設、ゴルフ場、工業団 地、ホテル、原木、製材、木質繊維板等
情報・金融
ITソリューション・インターネット関連サービス事業、携帯流通及びアフターサービス事業等の情報・通信分野、各種金融サービス事業や保険事業等の金融・保険分野において事業を行っています。
主な製品・サービス:サーバ・ネットワーク・ストレージ・ソフトウェア製品、ソフトウェア開発・システムインテグレーション事業、データセンター事業、クラウドサービス事業、インターネット関連サービス事業、BPO事業、医療・ヘルスケア事業、ベンチャーキャピタル事業、携帯電話関連機器、携帯電話関連サービス、通信・衛 星・宇宙事業、メディア・コンテンツ関連事業、投融資事業、 クレジットカード事業、その他金融サービス事業、保険代理店 業、保険ブローカー業、再保険事業、信用保証サービス、コンサルティングサービス等
第8
上記の7カンパニーと協働し、生活消費分野に強みを持つ伊藤忠商事のビジネス基盤を最大限に活用した、全社横断的な取組と新たなビジネス開拓を行っています。
その他
海外現地法人については、複数の商品を取扱う総合商社として、多種多様な活動を行っています。
伊藤忠商事の稼ぎ頭は?
売上は祖業である繊維・食料・生活資材に強みを持ちますが、利益の面では金属資源が大きく牽引しました。
2022年3月期の売上高で比較すると、食料が全社の4割を占めています。
利益で比較すると、金属が全社の3割を占めています。
鉄鉱石や石炭などの資源価格の高騰が利益に寄与しました。
海外売上高は全体の2割です。海外展開が少し遅れている印象です。
伊藤忠商事の業績は?
売上高は3年平均で+2.0%、5年平均で+20.5%となりました。
売上高の成長率は高い水準を維持しました。
営業利益は3年平均で+17.2%、5年平均で+15.1%となりました。
高い利益成長率を維持しており、今後の成長にも期待できます。
直近では金属資源の高騰が増益に寄与しました。
伊藤忠商事の強みと弱みは?
・非資源分野、特に生活消費関連ビジネスでは高い収益力を持っています
・豊かな個性を持った人が多く、自由闊達な風土を持った組織です。
・幅広い事業分野における顧客やパートナーとの繋がりとビジネスノウハウを保有しています。
・あらゆるビジネスを可能にするための膨大な資金力があります
・クリーンテック分野や中国・アジア市場での成長戦略に期待が集まっています。
・収益地域が国内に偏っており、海外進出に遅れをとっている面があります。
・他の商社と比べて、エネルギー事業や鉱物資源事業などの資源関係の収益力が弱いと言われます。
・他の商社と比べて社員の平均年齢が高い傾向があります。従業員の多様性やグローバルな人材の獲得に課題があると言えます。
・脱炭素に向けた世界的な圧力から、同社の化石燃料事業の事業展開に影響を与える可能性があります。
こんな人が伊藤忠商事に向いています
・チームワークやリーダーシップ、粘り強さなどがある人。
・自由闊達な風土を持った組織であるため、社内コミュニケーションを活発に取り組むことができる人。
・高い知性や分析力、語学力などを持つ人。
・社会貢献への意識が高く、伊藤忠商事が目指す環境・社会・経済の三方良しに共感できる人。
伊藤忠商事の企業研究 エクセルまとめ
企業比較シートを表形式でまとめてみました。
エクセル(Google スプレッドシート)の形式で公開していますので、ぜひ活用してください。
ポイント | 伊藤忠商事 |
企業理念 | 売り手よし・買い手よし・世間よしの三方よし |
業界 | 卸売業(総合商社) |
企業活動 | 繊維・機械・金属・エネルギー化学品・食料・住生活・情報金融など |
稼ぎ頭 | 金属資源 |
海外比率 | 20.50% |
業績 | 3年平均で+2.0%
5年平均で+20.5% |
強み | 繊維や食品などの生活関連商品 |
弱み | 海外進出への遅れ |
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いかがでしたでしょうか? 就職・転職活動をする場合は、企業訪問やOBインタビューなどを活用しながら、有意義な企業研究をしましょう!
(銘柄コード:8001)
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