日立製作所の企業研究 ポイントこれだけ!

企業研究

日本最大の総合電機・重電メーカー! 日立製作所を紹介します。

何をやっている企業?
IT、エネルギー、産業、ビル・鉄道、車輛運転など、幅広い事業を展開しています。

稼ぎ頭は?
コンサル・ソフト・システム運用などを行うIT事業が主力です。

業績は?
ここ3年は収益に波がありました。コロナ禍で金属・建機が低調だったことに加え、日立化成の買収で売上が一時減少しました。

それでは、それぞれの情報を詳しく見ていきましょう。

日立製作所って何をやっている企業?

日本最大の総合電機・重電メーカーです。情報・通信システム、社会・産業システム、電子デバイスなどの幅広い事業領域を持っています。各業界の有力企業を傘下に抱えるコングロマリット(複合企業)から、IT・エネルギー・社会インフラを中心にしたグループへと再編を加速しています。事業再編は、日立ハイテクの完全子会社化、日立工機・日立化成・日立金属の売却などが記憶に新しいところです。ITで高度化された社会インフラ「社会イノベーション」、IoTサービスの基盤「Lumada(ルマーダ)」を軸に、グローバルにビジネスを展開しています。

事業(セグメント)は以下に分かれています。※2022年3月時点のセグメント情報です。

IT

システムインテグレーション(顧客の課題やニーズに応じてシステム設計・開発・運用・保守などを行うサービス)と、プラットフォーム(サーバー・ストレージ・ネットワーク機器などのハードウェアやソフトウェアを提供するサービス)の二軸を運用しています。日立製作所の社会イノベーション事業と連携して、社会インフラや産業分野におけるDX化を支援しています。豊富な実績と高い技術力に強みを持ちます。

主な製品・サービス:デジタルソリューション(コンサルティング、ソフトウェア、クラウドサービス、システムインテグレーション、制御システム)、ITプロダクツ(ストレージ、サーバ)、ATM

エネルギー

エネルギー資源の有効活用と環境負荷の低減を両立するソリューションを提供しています。かつては火力発電事を積極的に進めていましたが、現在は送配電事業のビジネスモデルへと大きく転換しようとしています。特に地域間の電力を融通する高圧直流送電(HVDC)に注力しています。また、水素エネルギーなどのクリーンエネルギーの開発にも取り組んでいます。

主な製品・サービス:エネルギーソリューション(原子力、再生可能エネルギー、火力、パワーグリッド)

インダストリー

製造業を中心とした分野向けに、経営・現場・サプライチェーンをつなぐトータルソリューションを提供しています。特に昨今のコロナ禍においては、業務・組織・企業間の壁を越えたシームレスな課題解決が必要になっています。IT・設備・運用技術を包括的にカバーできるのが強みです。

主な製品・サービス:産業・流通ソリューション、水・環境ソリューション、産業用機器

モビリティ

鉄道などの交通分野やビルシステムにおいて、ITを活用したソリューションを提供しています。鉄道分野では車両や信号機の製造、ターンキーシステム・保守・運用などです。ビルシステムでは昇降機(エレベーター・エスカレーター)の製造・保守・運用などです。

主な製品・サービス:ビルシステム(エレベーター、エスカレーター)、鉄道システム

ライフ

半導体製造・検査装置、ヘルスケア(生化学免疫分析装置・粒子線治療装置)、生活・エコシステム(家電・空調)の3軸を中心に、スマートライフ事業を提供しています。デジタル・AI技術による自動化、高精度化、最適化を推進しています。

主な製品・サービス:生活・エコシステム(家電、空調)、計測分析システム(医用・バイオ、半導体、産業)

オートモティブシステム

自動車の電動化や自動運転など、最先端の自動車技術に対応した部品やシステムを提供しています。主な分野としては、パワートレイン・セーフティシステム、シャシー、モーターサイクルの3分野に注力しています。今後も、日立の研究開発力に裏打ちされた小型・高性能の次世代技術の発表に期待が高まります。

主な製品・サービス:パワートレイン、シャシー、先進運転支援、二輪

日立建機

建設機械や鉱山機械などの製造・販売・アフターサービスを行っています。油圧ショベルは日立建機の主力製品であり、高い品質と信頼性を誇ります。また、ユーザーの安全性や生産性の向上、ランニングコストの低減などの課題を解決するために、マシンや施工現場のデータをICT・IoTで収集・分析・活用する技術を推進しています。

主な製品・サービス:油圧ショベル、ホイールローダ、マイニング機械、保守・サービス、土木施工ソリューション、鉱山運行管理システム

日立金属

鉄鋼や磁性材料などの製造・販売を行っています。特殊鋼や非晶質金属などの高度で独創的な部品を幅広く開発しています。また、M&Aによって事業領域を拡大し、グローバルに展開しています。なお、2022年に日立製作所は日立金属のTOB(株式公開買い付け)を実施し、実質的な売却に至りました。

主な製品・サービス:特殊鋼製品、素形材製品、磁性材料・パワーエレクトロニクス、電線材料

その他

日立物流が担う物流・配送管理システム、日立リアルエステートが担う不動産売買・仲介、日立保険が担う保険サービスなどを提供しています。

主な製品・サービス:光ディスクドライブ、不動産の管理・売買・賃貸

日立製作所の稼ぎ頭は?

IT事業が主力の収益源ですが、複数の事業をバランス良く展開しています。

2022年3月期の売上高で比較すると、IT事業が全社の2割を占めています。

利益で比較すると、IT事業が全社の4割を占めています。
IT事業は売上規模が大きいだけでなく、利益率が高いことに注目です。

海外売上高は全体の6割です。世界で活躍するグローバル企業です。

日立製作所の業績は?

売上高は3年平均で+2.7%となりました。
電気機器の業界平均は+1.8%なので、売上高の成長率は業界平均を上回りました。

※引用: ザイマニ|財務分析マニュアル https://zaimani.com/

営業利益は3年平均で-0.7%となりました。
電気機器の業界平均は+4.2%なので、利益の成長率は業界平均を下回りました。
特に直近ではエネルギー事業の利益率悪化が目立ちました。

※引用: ザイマニ|財務分析マニュアル https://zaimani.com/

日立製作所の強みと弱みは?

・100年を超える歴史が培った世界トップの総合力とブランド力があります。
・製造・IT・運用の3本柱に、情報通信、電力、社会インフラ、自動車、家電製品などの幅広い事業領域へ進出しています。
・様々なプロジェクトを手掛けてきており、現場の実証を重ねることで得られた圧倒的な経験に基づくノウハウがあります。
海外展開やDX化に伴う需要発掘が期待できます。

・圧倒的な規模が故に、スピード感の遅さが指摘されることがあります。
・DX・デジタル領域の製品・サービスについては、後発に回ることが多いとされています。
・旧体質が残っていることで、組織変革やセクター間の連携不足が懸念されます。
専門性の高い競合他社との競争激化にリスクがあります。

こんな人が日立製作所に向いています

・自らが社会課題を解決する一員になりたいという志向を持っている人。
・企業理念を大切にし、チームやお客様と向き合うことができる人。
・自分の専門性や能力を発揮しながら、多様な事業領域に挑戦することができる人。

日立製作所の企業研究 エクセルまとめ

企業比較シートを表形式でまとめてみました。
エクセル(Google スプレッドシート)の形式で公開していますので、ぜひ活用してください。

ポイント日立製作所
企業理念優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する
業界電気機器(複合事業)
企業活動デジタル、エネルギー、自動車、交通、エスカレーター・エレベーター、家電
稼ぎ頭IT事業
海外比率59%
業績3年平均で+2.7%
5年平均で+2.3%
強み世界トップの総合力とブランド
弱みスピード感の遅さ

→ → 今すぐ使える エクセル(Google スプレッドシート)はこちら! ← ←


いかがでしたでしょうか? 就職・転職活動をする場合は、企業訪問やOBインタビューなどを活用しながら、有意義な企業研究をしましょう!

(銘柄コード:6501)

コメント

タイトルとURLをコピーしました