企業研究のエクセル作り方!

企業研究

この記事では、自己分析や企業研究のポイントを紹介します。また、企業選びに便利な企業比較シートを紹介します。

自己分析の重要性

 自己分析ってよく聞くけど、何のためにやるの? 

就活・転職は 自分に合った企業を選ぶことが重要 です。

企業研究を進めていくと、「A社の●●の部分はいいけど、XXの部分はイマイチだな…」「B社の●●は魅力的だけど、XXはマイナスだな…」など、迷う場面が必ず訪れます。

もちろん「私はC社に絶対に入社するんだ!」という考えで就職・転職を決める方もいるでしょう。ただ、自己分析不足・企業研究不足の結果、就職してから後悔するパターンが多いのも事実です。

企業選びは悩んで当たり前 ということをしっかり理解しておきましょう。

確かに、企業選びは迷いそうだね…。 
 でも、それと自己分析はどう関係があるの? 

自己分析で最も重要なのは、自分自身の好み・強み・弱みなどをしっかりと言語化し、企業選びの判断基準に生かすことです。

例えば、興味のある業界を調べていくうちに、A社とB社に興味が出てきたとします。
A社とB社を企業研究した結果、それぞれ良いところ・悪いところが見つかりました。

「自己分析をする前」と「自己分析をした後」で、これらの情報の見方がどのように変わるのか比べてみましょう。

【自己分析をする前】

【自己分析をした後】

このように、自分なりの重み付け(優先順位)で企業を選ぶことができます。また、ブレない価値基準を用意しておくことで、自信をもって就活に望めます。

 まずは自己分析が大切なんだね。早速自己分析をしよう! 

自己分析をはじめよう! キホンの10個の質問

以下の9個の質問に回答するだけで、基本的な自己分析が完了します。

過去の自分について

・周りからどんな子供(学生)だったと言われていましたか?
・これまでの人生で1番頑張ったことは何ですか?
・これまでの人生で1番自慢したいことは何ですか?

今の自分について

得意なことは何ですか? 好き・嫌いに関係なく答えてみてください。
好きなことは何ですか? 得意・不得意に関係なく答えてみてください。
苦手なこと(自分の性格で改善したい点)は何ですか?
・勉学や研究で成果・意欲を発揮したエピソードを教えてください。

将来の自分について

これから学びたいことは何ですか?
将来の夢(今後の人生で実現したいこと)は何ですか?
10年後はどのような生活を築きたいですか?

次のポイントに気を付けてまとめてみましょう。

ポイント

・具体的なエピソードを盛り込みましょう。
・①答え、②理由・エピソード の順でまとめましょう。
・思いついたキーワードはどんどんノートに書いていきましょう。後で読み返すことができるのでオススメです。
・簡潔にまとめましょう。30秒以内で説明できるとベストです。

今は全てに答えられなくても大丈夫です。書けるところだけで構わないので、少しずつ答えを作ってください。

……いかがでしたか? 自己分析は自分の心との対話です。自分の好み・強み・弱みを把握することで、今後の仕事に対する期待・イメージがはっきりしてきたのではないでしょうか。

注目すべき10個の分析ポイント

企業研究は以下の10個の分析ポイントに注目しましょう。

企業研究の分析ポイント

・企業理念に賛同できるか?
・その業界に興味があるか?
・企業活動に自分の専攻(経験)が生かせるか?
・企業活動と自分のやりたいことはマッチしているか?
・企業活動と自分の得意なことはマッチしているか?
・その企業に将来性や安定感があるか?
・その企業に国際競争力があるか?
・その企業は成長しているか?
・その企業は他社と比べて優位性が高いか?
・その企業の弱みは許容できるか? 改善の余地があるか?

 なぜこの10個が重要なの? 

企業を選ぶポイントを大きく分けると、以下の2つに分かれます。

  • 自分から見て良い会社だろうか?(主観的
  • 周りから見て良い会社だろうか?(客観的

「主観的」「客観的」の2つをバランスよく評価することが重要です。

企業研究の分析ポイント

・企業理念に賛同できるか? → 主観的
・その業界に興味があるか? → 主観的
・企業活動に自分の専攻(経験)が生かせるか? → 主観的
・企業活動と自分のやりたいことはマッチしているか? → 主観的
・企業活動と自分の得意なことはマッチしているか? → 主観的
・その企業に将来性や安定感があるか? → 客観的
・その企業に国際競争力があるか? → 客観的
・その企業は成長しているか? → 客観的
・その企業は他社と比べて優位性が高いか? → 客観的
・その企業の弱みは許容できるか? 改善の余地があるか? → 客観的

主観的客観的のいずれかに偏り過ぎると、企業選びに失敗してしまいます。特に、客観的な視点が欠けている就活生が意外にも多いものです。例を見てみましょう。

 ダメな例)客観的な視点が欠けている

昔からよく知っている商品の食品会社Aに就職が決まった田中さん。
食品会社Aのことは、商品のラインナップも熟知しており、何よりも誰もが知っている有名企業なので申し分なさそうです。
しかし、実際に働き始めたところ、商品は有名なのに 利益率が低くて経営が苦しい状況だったことがわかりました。直近の業績が芳しくなく、不安定な経営状態だったのです。配属先に充てられている予算も少なく、新しいことにチャレンジする機会が与えられません。配属先の部署全体のモチベーションも低く、これから仕事を続けられるのか、不安になってきました。

この例のように、「周りから見て良い会社だろうか?」という客観的な視点の企業研究を怠らないようにすれば、後で後悔することも少なくなるでしょう。

また、企業の経営が苦しいというほどではなくても、その企業の稼ぎ頭が実は意外な事業にあった、ということはよくあります。例を見てみましょう。

 ダメな例)稼ぎ頭をきちんと把握していなかった

直近の経営状況をきちんと把握したうえで、食品会社Bに就職が決まった田中さん。食品会社Bはスナック菓子の○○が大変有名で、CMもよく見かけるので、菓子類を企画・製造する部署に配属希望しました。
しかし、実際の食品会社Aの稼ぎ頭は、海外の業務用の食材販売がメインでした。日本国内向けの菓子類は確かに有名なのですが、原材料費の高騰でほとんど利益が出ていませんでした。スナック菓子の事業部に配属された後、思ったより社内で肩身の狭い思いをするかもしれません…。

この例のように、稼ぎ頭をきちんと把握することは、企業の本質を捉えることになります。もちろん、小さいころからの夢だったり、憧れていた仕事に就職することは何よりも大切です。企業の稼ぎ頭も年月を経て変わることだってあり得ます。ただ、「有名だから」「よく知っているから」という安易な発想で企業を値踏みすると、後悔することになるかもしれません。

このように、主観的客観的のいずれかに偏り過ぎずに企業分析を行うことは非常に重要なのです。

 企業分析もバランス感覚が重要だね! 
 でも、分析ポイントをどうやって調べればいいのかな? 

分析ポイントの調べ方は様々です。主観的な分析ポイントは自己分析から、客観的な分析ポイントは説明会・OBOG訪問・企業HPなどの情報ソースから探していくとよいでしょう。

調べ方や各会社の経営情報は、このブログでも紹介していきますよ!
※このブログのカテゴリ「企業研究」では、10個の分析ポイントに絞ってまとめているので、ぜひ見てくださいね。

分析ポイントごとに優先順位を付けよう

10個の分析ポイントをまとめただけでは、まだ企業間の比較は難しいです。せっかくなら、エクセルで比較してみたいですよね。

そこで、まずは10個の分析ポイントについて、その要素が自分にとって重要かどうか、5段階の優先順位を付けてみましょう
(1:優先順位が低い ~ 5:優先順位が高い)

例として、「自分のやりたいこと」「企業の安定感」を重視した場合の優先順位を紹介します。

ポイント基準優先順位
企業理念企業理念に賛同できる2
業界その業界に興味がある4
企業活動と専攻自分の専攻や経験を生かせる3
企業活動と得意自分の得意なことにマッチする3
企業活動と意欲自分のやりたいことにマッチする5
稼ぎ頭将来性や安定感がある5
海外比率国際競争力がある1
業績成長している4
強み他社と比べて優位性が高い2
弱み許容できる,改善の余地がある3
ポイント

優先順位は、なるべく1~5の間で偏らないよう、均等にばらついたほうが好ましいです。
全部重要だからといってすべて5にしてしまうと、優先順位の意味が失われてしまいます。

次に、注目している企業について分析ポイントごとに評価を行い、スコアをつけてみましょう。
例として、架空の「食品会社A」のスコアをつけてみました。

ポイント基準食品会社Aスコア
企業理念企業理念に賛同できる食生活を通して幸せを届ける3
業界その業界に興味がある食料品4
企業活動と専攻自分の専攻や経験を生かせる・国内向け菓子類の販売
・海外向け食材の販売
・その他、国内の不動産事業
2
企業活動と得意自分の得意なことにマッチする3
企業活動と意欲自分のやりたいことにマッチする5
稼ぎ頭将来性や安定感がある海外向け業務用食材の製造・販売4
海外比率国際競争力がある70%4
業績成長している3年平均で横這い
5年平均で平均以上
4
強み他社と比べて優位性が高い世界各国に販売チャネルがある4
弱み許容できる,改善の余地がある商品の独自性が乏しい1

次に、”重みづけ”と”スコア”を掛け合わせましょう(=重みづけ×スコア)。
すべての分析ポイントに対して「重みづけ×スコア」が計算できたら、その合計点が企業の評価点数になります。
以下の食品会社Aの例では、113点となりました。

ポイント優先順位食品会社Aスコア優先順位
×スコア
企業理念2食生活を通して幸せを届ける36
業界4食料品416
企業活動と専攻3・国内向け菓子類の販売
・海外向け食材の販売
・その他、国内の不動産事業
26
企業活動と得意339
企業活動と意欲5525
稼ぎ頭5海外向け業務用食材の製造・販売420
海外比率170%44
業績43年平均で横這い
5年平均で平均以上
416
強み2世界各国に販売チャネルがある48
弱み3商品の独自性が乏しい13
合計:113

同じように会社B、会社Cについても点数付けをすれば、あなただけの企業間比較エクセルの完成です。
合計点を比較することで、あなたの優先順位を考慮した最適な企業を見つけることができます!

エクセルで企業を比較しよう

企業比較シートを表形式でまとめてみました。
Google スプレッドシートの形式で公開していますので、ぜひ活用してください。

→ → 今すぐ使える エクセル(Google スプレッドシート)はこちら! ← ←

ポイント

赤字の部分を記入しましょう。黒字の数字は自動計算です。
・比較する会社が増えてきたら、列の右側にコピー&ペーストで増やしましょう。
・就職活動を進めていくうちに、自分の中の優先順位が変わってくることがあります。過去に企業分析した内容は定期的に見直すことをオススメします。

※Google スプレッドシートの形式のまま使う場合は、以下の手順でコピーを作成してください。

※エクセル形式で保存する場合は、以下の手順で保存してください。

この企業比較シートを使うことで、一度調べた企業の情報をどんどんストックすることができます。企業研究を自分の財産として活用して、就職活動を有意義なものにしましょう!


今回は、企業研究をするのに必要な自己分析と、おすすめの分析ポイントを紹介しました。
エクセルの企業比較シートを活用して、納得のいく就職活動を実現しましょう

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